『 カティンの森 』 ～ 歴史がまたつくられる

観ておくべき映画が、やっときました。

　『 カティンの森 』　　2007年

http://katyn-movie.com/pc/

4月10日、TVで「ポーランド大統領専用機、墜落。カチンスキ大統領、死亡」の第一報を知った時、「大統領専用機が墜落したの？！」と驚きました。多くの要人も同乗していたと聞き、とんでもないことになったと思いました。当日は、視界が500メートルという濃霧で、管制塔からは、予定地のスモレンスクではなく、別の空港に着陸するよう何度も要請があったとのこと。パイロットも4回着陸を試みて成功せず、別の空港に向かう案もあったそうですが、以前にも似たような状況で着陸に成功した事例があり、何らかの決議で５度目に着陸を強行しようとした結果が、この事故でした。

大統領一行が向かっていたスモレンスクでは、「カティンの森」事件を追悼するロシアとの合同式典が行われる予定でした。

第二次大戦下、ロシアに連行されたポーランド将校らが大量に虐殺されたこの事件は、2007年、ポーランドを代表する映画監督アンジェイ・ワイダによって映画化されたというのが、本作です。

『 カティンの森 』　　

http://katyn-movie.com/pc/

映画館での予告を観たときから、とても観たいと思っていました。

この事件は、長い間、ソ連によって否定され、エリツィン大統領時代に、一度、国としての謝罪がなされたものの、プーチンの代になって再び態度が翻り、近年、ようやく、国家として史実を認め、謝罪するという動きがあったばかりでした。

それだけに、両国首脳がそろっての追悼式典は、歴史的にも外交的にも非常に意味のあるもので、これだけの政府や軍の要人が一堂に会してスモレンスクに向かったのも頷ける話です。

メディアでは、スモレンスクの住民が、「町をあげて大統領一行を歓迎していたのに、この地はいったい呪われているのか？」というコメントが紹介されていました。

二重、三重の味で、悲劇の地となってしまったスモレンスク、

そして「カティンの森」事件。

こうして歴史がまた作られてしまいました。

5/6（木）～10（月）　　池袋新文芸座にて

http://www.shin-bungeiza.com/schedule.html

同時上映は、

『 母なる証明 』
（ 2009年　韓国　）

2009年度のキネ旬2位の作品です

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