『 アフターウェディング 』 ～ 人生とは 深い愛と絆に

もしかしたら、これが人生というものなのか。

『 アフターウェディング 』

2006年　デンマーク映画

監督：スザンネ・ビア

出演：マッツ・ミケルセン、ロルフ・ラッセゴード

シセ・バベット・クヌッセン、スティーネ・フィッシャー・クリステンセン

2007年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品

CDなどを買うときにジャケ買いと言って、パッケージの写真で判断するそうですが、私がこの『 アフターウェディング 』を観てみたいと思ったのは、タイトル買いでした。いつものように事前知識を入れないようにして、タイトルから恋愛映画なのかしらと思っていたのですが、さにあらず。

インドで孤児の援助活動に従事するデンマーク人・ヤコブ（マッツ・ミケルセン）に巨額の寄付金の申し出を行ったデンマークの実業家のヨルゲン（ロルフ・ラッセゴード）。ここから始まる物語は、やがて日常に潜む運命に絡めとられていく男と女の究極の愛の形をスザンネ・ビア監督の見事な手腕で描きだしていきます。2007年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品だけあって秀逸です。コペンハーゲンを中心とした透明感溢れる北欧の風景、郊外の古城で行われる華やかな結婚式のシーンなど、繊細で美しい映像と、深い愛と絶望的な哀しみ。登場人物の微妙な心の揺れと家族それぞれが抱える秘密を繊細かつ大胆に映し出しており、引き込まれるようにじっくりと観ました。美しさの中にあるはかなさを感じ、とても素晴らしい作品でした。人生とはこういうものかもしれません。

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