『 王の男ディレクターズ・カット版 』 ～ 美しい欲望、華麗な悲劇

韓国映画を語るなら、本作は必見

『 王の男 ディレクターズ・カット版 』 (왕의 남자. 2005)

監督: イ・ジュニク
出演: カム・ウソン(芸人チャンセン役)、 チョン・ジニョン(王 ヨンサン役)、カン・ソンヨン(チャンノクス役)、 イ・ジュンギ(コンギル役)

http://www.kadokawa-pictures.co.jp/dvd_special/kingsman/

妬みと熱望が呼んだ血の悲劇が始まる！

朝鮮最初の宮廷芸人、 王に仕え遊ぶ。　

王の男（おうのおとこ）は2005年公開の大韓民国の映画作品で、韓国では、4人に一人は観たという超大ヒット作品です。 韓国のアカデミー賞と言われる大鐘賞では、最優秀作品賞を始め、史上最多10部門受賞した映画だけあって、想像以上にとても深みがあり、ぐいぐいと引き込まれて観ました。 まさに、名誉ある賞を総なめした韓国史上最高の映画だと思います。

16世紀の韓国の宮廷を舞台に繰り広げられる歴史ドラマで、地方から都にやって来て、王の前で芸を披露するまでになる2人の芸人の数奇な運命をたどる。

愛を知らない暴君と、彼に寵愛された女形芸人コンギルの哀しさにも目がいくのですが、本作で一番魅かれるのは、コンギルに無償の愛を注ぎ、芸人としての生を全うしようとするチャンセンの姿。綱渡りなどこうした芸を実際に俳優さんたちが演じるまでに特訓を受けたことを思うと、生半可なものではなく、その気迫と芸に命をかけた彼らの凄みが伝わってきました。コンギルを演じたのはイ・ジュンギ。女よりも美しい女形というキャラクターに、妖艶さと繊細な演技は、観ていてうっとりするほど本当に美しく綺麗でした。そして当時の宮廷を再現した豪華なセットや、謀渦巻く宮廷絵巻に魅了されます。

男気あふれるカム・ウソンの熱演、残忍で孤独な王の悲哀まで演じきったチョン・ジニョン、イ・ジュンギの“歴史を狂わせる美しさ”が際立って、とても見ごたえのある素晴らしい作品です。映画としてとても価値ある作品だと思います。本当に面白かったです。

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