☆★☆筆談ホステス☆★☆言葉でしあわせに

彼女の名前は、斉藤里恵さん。　金スマ

1歳10ヶ月で病気の後遺症により聴力を失い、一時は、「青森一の不良娘」と呼ばれるまでになった斉藤里恵さんが、独自に編み出した“筆談術”だけで銀座NO.1ホステスに成り上がる苦闘のすべてを描いたお話です。

「本当は耳が聞こえないのをウリにしているようで嫌だったが、いろんな人の言葉でチャレンジしようと思った」と斉藤里恵さん。

銀座のクラブでホステスといえば、まさに会話が仕事だと思うのですが、それを筆談でこなすことにより、いろいろな気づきがあったりするのかもしれません。

あるお客さんは、会社の経営が厳しいらしく、最近はいつも難しい顔をしています。メモ帳に「辛」と一字書いて、後は黙って飲むというのがパターンになっていました。

いろいろ話を振ってもダメ。

そこで里恵さんは閃いて、横棒を一本足して「幸」にしてみました。

「辛いのは幸せになる途中ですよ」

そう書いて見せたところ、そのお客さんはボロボロと泣き始め、

それからは穏やかな表情に変わったそうです。

簡潔に伝えようとすることで、いろいろ削ぎ落とされてシンプルになり「名言」と言われるものが生まれるのかもしれません。

筆談にもメリットはあります。やり取りを書いたメモを持ち帰ることもできるし、紙に書くことでより大胆になれたり秘密の話が出来たり、あるいは筆談だからこそ出来るコミュニケーションなんかも生まれてくるそうです。そういった、筆談のメリットというのを最大限に活かして、著者はホステスの世界を生き抜いているのです。

数年前のことになりますが、私自身、筆談を余儀なくされた際には、自分の考えや意志を伝えることで精一杯でした。あのとき、周りのみなさんには、スムースにコミニュケーションがとれないもどかしさと、一生懸命、私の話しを聞こうと辛抱強く待って下さっていたその表情はいまでも思い出されます。本当にありがとうございました。

里恵さんは、言葉の操り方がとても上手だと感じました。
誰かの会話を聞き取って文字の仕組みや言葉の意味などを学ぶことが出来ないので、非常に沢山の本や新聞を読んだのだろうと思います。

聴覚障害というハンデをかかえながらも、健常者以上に努力して、とても輝いています。言葉って使い方次第で人を酷く傷つけてしまうものだけれど、使い方次第では人を幸せにできるのだと思いました。自分自身や言葉をもっと磨きたいとあらためて思いました。

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