男はつらいよ

「ワンカットで撮るのは無理だよ、俺はもう48歳なんだから」

その男 ヴァン・ダム

http://vandamme.asmik-ace.co.jp/

監督・脚本 ： マブルク・エル・メクリ

製作総指揮・出演 ： ジャン＝クロード・ヴァン・ダム

製作国・地域： 2008年　ベルギー/ルクセンブルク/フランス

その男、ベルギー、ブリュッセルに生まれる。
その男、格闘家となりチャンピオンになる。
その男、アメリカへ渡り、アクション俳優となる。

フランソワ・ダミアン

ジネディーヌ・スアレム

アンヌ・パウリスヴィック

アクション俳優のジャン＝クロード・ヴァン・ダムが本人を演じ、新境地を開拓したメタ・フィクション・コメディーですが、私は、ジャン＝クロード・ヴァン・ダムの名前は知っていても作品を観たのは、これが初めてでした。

観ているうちに、これは実録？ドキュメンタリー？実際にあったことなのだろうか？と。

監督は本作が長編2作目となる昔からのヴァン・ダム ファンである、マブルク・エル・メクリ。ハリウッドで成功と挫折を経験し、辛酸をなめてきたからこそのヴァン・ダムの哀愁と切なさのにじむ熱演が、じんわりと心にしみてきました。

けれども、落ち目になったバン・ダムをバン・ダム自身が演じるセルフパロディという触れ込みですが、人気凋落気味の彼の現実に重なり過ぎて、ジョークと笑い飛ばすには観ていて痛いシーンが続出。

カリム・ベルカドラ／ジャン＝フランソワ・ウォルフ

アンヌ・パウリスヴィック

『男はつらいよ。ハリウッドスターはつらいよ。』

そんな彼のつぶやきが聞こえてきそうです。

タクシーの運転手のおばさんに言いたいこと言われるし、彼が強盗したと聞くと誰一人疑わず、当然のように犯人扱いするなどなど、これって、本当の話なの？と思わせる、リスペクトのかけらもない演出。

自虐的なシーンを演じ続け、役者の自己顕示欲を見せつけてアクション脱出を図ったのかもしれませんが、とにかく、最後まで、どんな結末になるのか、目が離せないとても興味深い作品でした。

男として、スターとしての生き方、いろいろと考えさせられました。

今後のジャン＝クロード・ヴァン・ダムの活躍に期待しています。

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