バン！バンバン！！バン!

殺すと決めたら、必ず殺す。

バン！バンバン！！バン!

一瞬、これはなに？と思わせる、高圧ボンベ付きの家畜用スタンガンで、鍵穴も人間の額も同じように撃ち抜く。それは、殺し屋・シガー（ハビエル・バルデム）は目的のためには自分の体も道具としか考えない完璧な死の実現者。法も神をも超えた悪だけが彼のルール。

『ノーカントリー』

http://www.nocountry.jp/

本年度アカデミー賞で作品賞、監督賞を脚色賞獲得し、さらに助演男優賞（ハビエル・バルデム）という、最多主要4部門に輝きました

私は、期せずしてこの作品を2回観ることができました。面白くて、2回見ても大満足！2度観て、ようやくわかるという、とても深い映画でした。

1980年代アメリカ・テキサスの砂漠での息を継ぐことさえできない。
静寂の中に漂う異様な緊迫感・・・。

『ファーゴ』（ファーゴも2度観ました）『バーバー』のコーエン兄弟（監督・脚色）の最高傑作との呼び名も高い今作は、ノワール的な要素を含みながら、さらに世界各国から終結した豪華キャストが渾身の演技を披露！今作でアカデミー助演男優賞を受賞したハビエル・バルデム（以前、このサイトでも紹介させていただいた「夜になるまえに」にて主演）。彼の、淡々と、己の信念ともいうべき゛死の基準゛に基づいて、ただ冷酷に冷静に人を殺してゆくさまは、っまさに、【純粋悪】。静寂が引き起こす緊迫感と恐怖を心の奥底から感じます。注目株のジョシュ・ブローリンらの演技がスリリングなストーリーに深みを与え、そして、お馴染みの切ない顔をさせたら右に出るものはいない大物俳優のトミー・リー・ジョーンズが物語の語り手的存在としてスクリーンを魅了。

荒涼としたテキサスの砂漠の美しさの中で、人間と社会の本質があぶりだされてゆく、芸術的作品です。

人気blogランキングへ