自分を本当に愛してくれているのは

『お熱いのがお好き』も

『アパートの鍵貸します』も

有名な作品で名前は知っていましたが、

これほどまでに面白い！とは。

『アパートの鍵貸します』　　（１９６０年アメリカ）

第33回アカデミー賞の作品賞・監督賞・オリジナル脚本賞に輝いたビリー・ワイルダー監督の最高傑作です

ところはニューヨーク。とある大保険会社。ズラーっと整列された机のひとつでせっせと仕事をするバクスター(ジャック・レモン)と、エレベーターガールのフラン（シャーリー・マクレーン）が織りなす、たくさんの愛であふれている物語です。

ときはまさに１９６０年アメリカの新時代。ズラーっと整列された机でせっせと仕事をしている大勢の社員、出世、社会の歯車となったサラリーマンの悲哀を鋭く描いた本作品は、当時、辛辣な社会批判映画とも評されたそうです。しかし、ビリー・ワイルダー監督が「この映画は私のニューヨークに対する愛の映画だ。この映画を誇りに思っていると」と語ったように、人々への愛、互いのことを誤解しながらも助け合い、尊敬し合う隣人社会への愛が込められた作品です。

ワイルダー監督が、この脚本は彼のために書いたというまさジャック・レモンための役どころ。上司に見せる哀愁たっぷりの微妙な笑顔が共感を呼びます。シャーリー・マクレーンが可憐でコケティッシュな魅力にあふれ、とっても素敵です

気の利いた台詞、粋な小道具、そしてラスト・シーンの素晴らしさは観るものをうならせます。すべての登場人物に向けられる優しい目線。自分を本当に愛してくれているのは誰かというのを、気づかせてくれたように思います。あの人と、もう一度観たい作品です

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