『ボルベール 帰郷』

私にとって、母は絶対なる存在だ。自分の身に起こったことは、母にはたいていのことは何でも話す。仕事でも恋愛でもそれはうちの三人姉妹はみな同じ。一番の相談相手であり、母のアドバイスは本当に頼りになる。だから、うちは四人姉妹のようである。

『ボルベール　〈帰郷〉』　http://volver.gyao.jp/

第59回カンヌ国際映画祭最優秀女優賞／最優秀脚本賞受賞。　「今もっとも自由で独立した映画監督」と言われるペドロ・アルモドバル監督作品。女性のたくましさと母性を、尊敬と賞賛をこめて描いてきた彼の女性讃歌３部作の最終章にして最高傑作！登場するのは、大昔に死んだはずなのにひょっこり戻ってきた母、二人の娘、孫娘、叔母、隣人の6人の女たち。6人の女優は、カンヌ映画祭の最優秀女優賞を全員が獲得するという快挙を成し遂げました。

セクシーで美しくたくましい女を演じたペネロペ・クルス、ペネロペが歌うタンゴの名曲「ボルベール」をぜひご堪能あれ！女が主役となれば、当然そこには笑いと涙と“秘密”がいっぱい。先の読めないユニークな筋書き、6人6様の生き様に我が家を思ふよう。母として、娘としてのままならない人生をたくましく生きる女性たちの生き様を描き上げています。たったひとりで生きていくだけだったはずの自分自身の実人生が、死んだはずの母親の存在によって、厚みを増していく。その豊かさと濃密な時間は、観ている私に　とっても至福のときでした。