ふたりの人間国宝 ~ 初めての人間国宝
第1回重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された富本憲吉氏。
近代陶芸の巨匠・富本憲吉は1886年奈良県に生まれ、今年が生誕120年にあたります。1955年に「色絵磁器」で第1回重要無形文化財保持者に認定され、「大和時代」の楽焼・土焼、祖師谷(私の家のすぐ近くです)に窯を築いた「東京時代」の白磁・染付、「京都時代」の色絵・金銀彩といった各時代の代表作が一堂に会した大回顧展を世田谷美術館にて。
四弁花模様や京都で生み出された羊歯模様(しだもよう)など、富本芸術を語る上で欠かすことができない模様や技法の多様な展開が行われ、これらはまさに他に追従を許さないオリジナルな作品となったのです。 いわゆる「描きおこし」と呼ばれる羊歯模様。「描きおこし」とはまず色絵で羊歯模様を描き、その上を金彩で再びなぞり描きするという非常に手のこんだ手法で、これによって、富本の場合、通常赤色になる地の色を白のままで残すことが可能となったのです。絵手紙やスケッチ、装丁本などの多彩な資料とともに観てゆくと、模様を「自然から採る」ことに徹し、「模様より模様を造るべからず」を終生の信念に、既成のものからの模倣を許さなかった、まさに作家としての草分けとして理知的で洗練され、格調高い陶磁器を生んだ精神性の高さを感じました。
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