音の魔術師
印象派の最後を締めくくるような秀作、ラヴェルの「ボレロ」。中学生の頃から聴いていた作品です。みなさんも聴けばすぐにわかるとてもポピュラーな曲です。クラッシックのコンサートで生のオーケストラで聴いたのは初めてで、まさに圧巻!でした♪この曲は最初から最後まで(最後の2小節を除く)同じリズムが繰り返され、 最初から最後まで1つのクレッシェンドのみであり、メロディもA、B2つのパターンのみ という特徴を持ちます。これだけを見ると極めて単調なように思われますが、実際の演奏は非常に豊かな色彩をみせます。曲は、スネアドラムによる後述のリズムが刻まれる中、フルートによって始まります。フルートはAの演奏を終えるとスネアドラムと同じリズムを刻み始め、代わってクラリネットがAのメロディーを奏でます。このように、次々と異なった楽器構成によりメロディーが奏でられ、メロディーもリズムも次第に勢いを増していくのです。そして最後には、フルート、ピッコロ、オーボエ、コーラングレ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、ピッコロトランペット、トロンボーン、チューバ、チェレスタ、ハープ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、スネアドラム、ドラムという大編成で、フルート単独の時と同じメロディーが奏でられます。圧倒的な重厚さ(並行3度や5度を組み合わせたりもしている)でA、Bのメロディーを演奏すると、曲は初めてA、Bのメロディーを離れた旋律に移り、音量も最高潮を迎えた直後、最後の2小節で下降調のコーダで収束し、終焉を迎えるのです。静かなピチカート演奏から始まり、次は何の楽器が入ってくるのだろう?次はどこがメロディを?と観ていて惹きつけられました。コントラヴァスなどは、ピチカート演奏から弓を持って引き始める際にも、1小節ごとに一人また一人と弓を持ち始め、もうなんて素晴らしい!と心の中で感嘆の声を上げていました!単純な構成とそこから醸し出される豊かさは、ラヴェルの生まれたフランスとスペインの国境であるバスク地方の独特の文化・個性を感じます。高貴でエレガントなラヴェル自身にも似た、えもいわれぬ不思議な世界観が広がります。ラヴェル=まさに音の魔術師です。私が特別な人と初めての特別な夜を過すのなら、このラヴェルの「ボレロ」を。
役立つブログ・話題のブログがいっぱい!
→ 人気blogランキングへ
« 知られざる天才 | トップページ | ファランドール »
「音楽」カテゴリの記事
- 【 新 春 万 福 】(2012.01.01)
- 『 glee (グリー) 』 大好き!最高です♪ ~ NHK BSプレミアム海外ドラマ 一番のお気に入り☆(2011.08.02)
- ■在庫あり!キャンディーズ / キャンディーズ タイムカプセル 【CD】 キャンディーズ 伝説(2011.04.23)
- ■超話題!【 キャンディーズ CD ベストアルバム 完全生産限定盤 】(2011.04.30)
- ■最安値!【 東方神起/Why? なぜ(Keep Your Head Down)リパッケージCD+ポストカード56枚 】(2011.03.11)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント