ピーテル・ブリューゲル
「イカロスの墜落」。近年は、この作品の作者は果たして「ピーテル・ブリューゲル」なのだろうかという疑問符が打たれているという。あらゆる科学調査をしても結論が出ないと。だから、16世紀後半に描かれたとみられるこの絵の表示は「ピーテル・ブリューゲル(父)?」と。彼は、常に庶民の姿を描き続けた農民画家から、後世においての研究でフランドル画家としての評価を獲得した。
オウィディウスの「転身物語」 を典拠とするこの「イカロスの墜落」。
牧歌的風景と死の共存。父のダイダロスはいない、高く飛びすぎて太陽で羽の蝋がとけてしまい海中に落ちてしまった息子イカロスは、海上に足をばたつかせているのが小さく描かれているのみ。さらにこの事件を目撃したはずの農夫、羊飼い、そして漁師の誰ひとりとして溺れるイカロスを見ていない。愉悦に満ちた牧歌的風景と死の共存。独創的であり、また矛盾と構図の面白さ。長らくベルギー王立美術館の顔として初期ネーデルラント絵画の展示室の壁に飾られているこの「イカロスの墜落」は、不思議な魅力を湛えてここでも私たちを迎えてくれている。
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