もののうつし
左右の雪が降り積もった見事な大きな松を見比べる。どこがちがうのだろう?
彼方、円山応挙の最高 傑作と言われている 「雪松図屏風」。 此方は、円山家の六代目 国井応陽が 「雪松図屏風」を写した作品。並んで展示されている二つのこの屏風絵。応挙の最高傑作といわれる国宝「雪松図屏風」は、 凛と立つ松と、光を浴びて輝く雪の結晶、冴え渡った空気が伝わってくるかのよう。
しかし、応陽の写しもなかなかのもの。じっくりと見つめていると、少しずつ、枝ぶりの大きさ、幹の太さ、光の加減などだんだんとその違いがわかってくる。「写し」というのは日本美術において重要な意味があると初めて知る。
名品といわれる作品の写しを揃えた企画展 「美術の遊びとこころ 美術のなかの「写(うつし)」-技とかたちの継承 」 。
「写し(うつし)」を主題に、5つに分類。
1. 「そのまま写す」 -原品 (原本) をそっくりそのまま写した、絵画や茶道具、能面など
2. 「変化を加えて写す」 - 図様や文様を転用・異素材を使って写す・小さく写す (印籠や根付など)
3. 「様式を写す」 - 書風を写す (藤原定家の書風を模した小堀遠州の手紙など)
4. 「好みや感覚を写す」 -(利休好みの花入など)
5. 「自然を写す」 - (金工の昆虫や象牙製の果物などの置物)
オリジナルと比較しながら、それぞれが持つ写しの意味を考えるようになっていて、 はじめのうちは?と思ったのだが、ずっとよく比べてみていくうちにその筆のタッチや 造りの微妙な違いなどの面白さを感じてくる。
さすが!国宝6点、重要文化財21点を所有しているという....三井記念美術館。 昨年出来たばかりの綺麗な館内は人もそう多くはなく、ゆったりと鑑賞できる都会の中のくつろぎの場所でした。
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