光と影の饗宴
襖や屏風というのは、現代の日本家屋に、そう多くはないように思える。でも、遥か昔、江戸時代やもっともっと以前から、襖や屏風は、家屋の間仕切りであり、また芸術のひとつであった。「若冲と江戸の絵画展」の最終章は、襖絵や屏風を並べ、そこに光をあてやがて暗がりを作り、絵の陰影とさまざまな表情を楽しむというものだった。こういった趣向は初めてだったので、とても興味深く。さながら、そこにたたずんでいると朝な夕なに陽の光やろうそくの灯火を浴びて、なるほど、こんなふうに絵が浮き出してくるものなのだと。
写真は、鈴木其一の筆による 柳に白鷺図屏風 (江戸時代)
樹陰の涼を感じさせる初夏の夕べに優美に羽ばたく白鷺をとらえた瞬間の光景。一瞥すると凍り付いた動きのない画面に見えるかもしれないが、ろうそくの光で照らされれば、画面にゆらぎが生じ、ゆったりと飛び立つ白鷺の姿が眼前にあらわれる。
※役立つブログ・話題のブログがいっぱい!
→ 人気blogランキングへ
« 若冲と江戸絵画展 | トップページ | GRILL FUKUSHIMA »
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 深まる秋にバイオリンを楽しむ(2010.11.22)
- ■決定版!【吉祥寺こだわりグルメ ☆ 新・東京見聞録 】 ~スーパーJチャンネル(2010.10.08)
- 私、ク・ドンベクさんと結婚したい!~ 『アクシデント・カップル』最高の韓流ドラマ☆(2010.10.05)
- 「すべてはこの暑さ、あの太陽のせいだ」(2010.07.27)
- 成城のお風呂屋さん ~ 移りゆく街の風景(2010.05.25)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
ほんとに現代の住宅には襖や屏風は少なくなってきましたね。襖はかろうじて生き残っていますが、屏風となると皆無に等しいと思います。まして最近では床の間がない住宅が多くなってきて、残念に思います。
若冲の絵恥ずかしながら初めて見ました。
少し前に江戸博物館で広重や北斎の版画絵(風景)を見た後でしたので、鳥や寅等の絵も凄いと感じました。兎に角圧倒されて凄いと言うしかありませんでしたね。
投稿: 酔いどれたぐー | 2006年8月30日 (水) 09時32分
江戸時代にして、軽妙洒脱、大胆で流麗な若冲の絵は、本当に素晴らしいですよね。
手元の伊藤若冲の生涯と作品をまとめた本がありますが、
またこうして眺めていても、とても楽しめます。素的な新たな出会いでした☆
投稿: 葉 子 | 2006年9月10日 (日) 08時55分